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日本と海外のネイルサロン・ネイリストの違い

 

皆さんこんにちは。

今回は日本と海外のネイルサロンネイリストの違いについてです。

日本の女性は指先のおしゃれにも気を遣うイメージが多く、実際にそういった美意識の高い女性が多いですよね。

日本のネイルサロン市場は2015年時点で24,450店舗を記録しています。

セルフネイルが一般の人に多く浸透し、ネイルサロン市場から撤退する店舗がある中でも、未だ参入する店舗数の方が高い傾向にあり、現在でも都市部を中心にネイルサロン市場は徐々に拡大を続けていると言われています。

日本のネイルサロン開業には必要な資格が存在しない為、会社員を辞めて自宅の一室をネイルサロンとして個人で開業された方の話を聞くのも珍しくないですよね。

(※ネイルサロン開業に必要な資格はありませんが、NPO法人が主催するネイリスト技能検定を受けて合格することで、ネイルケア・ネイルアートについての一定の技術と正しい知識を持っていることを証明することは可能です。)

ではネイルサロン発祥の地と言われているアメリカやその他の国では、日本とどういった違いがあるのでしょうか?

また、どういったデザインが好まれているのか、料金はどのくらい?などネイルアートの歴史と合わせて気になることをまとめてみました。



ネイルケア・ネイルアートの由来

そもそも爪をケアしたり、装飾する文化はどこから生まれたのか?

現代の調査によると、およそ紀元前3000-4000年ごろの古代エジプトでは既に爪を着色する文化があったとされています。

今では染髪料として一般の人にも多く知られている「ヘナ」という植物性の染料を用い、爪を染色していました。

古代エジプトでは元々、呪術的な意味合いから爪を染色する文化が始まりました。特に赤い色は神聖な色として崇められていたため、魔除けの効果が高いとしてとても好まれたようです。

中国では身分を示すものとして爪の染色文化が生まれ、その中でも深紅などの濃い赤色は身分が高い人のみ染色することが許されたとして憧れの象徴でもありました。

日本では奈良・飛鳥時代から爪の染色文化があったとされ、始まりはやはり魔除けなどの意味を持って行われていたようです。

平安時代になると、鳳仙花(ほうせんか)や紅花(べにばな)などの花の汁から染料を取り爪を染めることが貴族の間で流行しました。

貴族の間でのみ残っていた爪染めの文化でしたが、後に当時の宮廷文化を真似た遊女が化粧などと一緒に爪を染めることを行い、「おしゃれ」として世間に広まったとされています。

鳳仙花(ほうせんか)と鬼灯(ほおずき)の葉を揉み合わせて作った染料で、爪を赤く染める「爪紅(つまくれない)」なるものも行われていたようです。

そして、ネイルケアの原型ができたのは19世紀頃のヨーロッパが中心。

当時のヨーロッパで流行していたのは、ピンク色で透けるような透明感のある爪。

研磨剤や色粉、クリームなどを駆使して「爪に色を塗る」よりも「爪を磨く」ことが好まれていたようです。

爪に色を塗って「飾る」文化は西洋よりも、東洋の方が強かったようですね。

日本に最初のネイルポリッシュ(マニキュア)が伝わったのは1970年代。

1950年代、好景気だったアメリカでは自動車用に速乾性ニトロセルロースラッカーという塗料が開発されました。

それと同時期に、この塗料を応用して開発したものが現在の速乾性のあるネイルポリッシュ(マニキュア)の起源になっています。

それが1970年代に日本に伝わり、ネイルポリッシュは多くの女性の関心を惹きました。

現代のようなネイルケア・ネイルアートが一般の人々に浸透したのは1990年代に入った頃。

ミュージシャンやメディアで活躍されている方のネイルアートが話題になり、様々なカラーや装飾を楽しむこと=ネイルアートが多くの人に認識されることとなりました。

海外では「ネイルサロン」や「ネイリスト」では伝わらないこともある

日本ではネイルケアやネイルアートを専門として行ってくれるお店を「nail salon(ネイルサロン)」と呼びますよね。

実は海外ではそういったお店を「ネイルサロン」とは呼ばないことも。

アメリカでは「nail spa(ネイルスパ)」、イギリスなどのヨーロッパでは主に「nail bar(ネイルバー)」や「nail studio(ネイルスタジオ)」という呼ばれ方が一般的です。

また日本ではネイルケアやネイルアートを専門の仕事としている人を「ネイリスト」と呼びますが、これはNPO法人である日本ネイリスト協会の発案から、ネイリストという呼称が一般的になり日本で浸透していきました。

(※ただし、韓国や中国など東アジアの国では”ネイリスト”が通じる場合もあるようです。)

海外では主に「manicurist(マニキュアリスト)」、又は各国の公的ライセンス取得者として「nail technician(ネイルテクニシャン)」と呼ばれています。

海外でネイリストとして働くにはライセンスが必要?

日本のネイリスト資格はNPO法人(非営利活動法人)であるJNEC(日本ネイリスト協会)によって主催される「ネイリスト技能検定試験」という試験に合格することで認定資格を取得することができます。

しかしこれはあくまでもJNEC(日本ネイリスト協会)が主催するものなので、ネイルケア・ネイルアートの一定の技術や知識を証明することは出来ますが、国家資格などの公的ライセンスではありません。

その為、資格を持っていなくてもネイルアーティストとして名乗ったり、仕事をすることが可能なのです。

ちなみに日本では…
ネイルケア・ネイルアートの技術に優れていると自称する場合
ネイルアーティスト
JNECの主催するネイリスト技能検定に合格し認定資格を持っている場合
ネイリスト
として狭義的に区別されている場合もあるようです。

日本のネイルサロンに就職するには有利なネイリスト技能検定ですが、海外では実績と認定資格を持っていても直ぐにネイリスト(マニキュアリスト)として働くことが出来ない場合もあります。

アジア諸国では日本同様に制度が緩い国や地域が多いため、ライセンス(公的資格)を持たなくてもネイリストとして働くことが可能です。

一方西洋諸国ではネイリストとして働く場合、その国や地域が定めたライセンス(公的資格)が必要になることが多いです。

ライセンス取得のためにはそれぞれの国の認定校を卒業し、資格試験に合格する必要があるんです。

働きたい地がアメリカであればアメリカのライセンス、その他の国なら各国のライセンスが必要になります。

特にネイルの本場であるアメリカでは州によって資格認定制度は異なるものの、ネイルライセンスは国家資格とされています。

(ちなみに、オーストラリアで取得できる国家資格は、「コモンウェルス加盟国」でも共通で認められているものだったりと規定はライセンスを取得する国や地域によって本当に様々です。)

ライセンスを持たない場合はネイリスト(マニキュリスト)として働くことができません。その為、待遇やお給料などは日本よりやや高い傾向にあるようです。

もし海外でネイリストとして働きたいと思っても、ライセンスを持たなければ日本でいくら経験を積んだとしても法律違反になってしまうということですね。

このように、「ネイリスト(マニキュアリスト)」と言っても国や地域の制度によって様々な違いがあるようです。

☆呼称について、ややこしくなってきたと思いますので一旦整理します。

■日本でJNECが主催するネイル技能検定試験に合格し認定資格を有している
■東アジア(中国・韓国)など一部地域で通用する言葉
ネイリスト

(ただし、日本ではネイルサロンで働くには必要資格が法的には存在しない為、一般にはネイルケア・ネイルアートを仕事にする人全般をネイリストと指す。または、ネイルアーティスト。)

■海外で一定のカリキュラムを修了し国家資格、または公的資格(ネイルライセンス)を有している
■公的資格は有していないがネイリストという呼称が使われていない地域

➔マニキュアリスト

■海外で一定のカリキュラムを修了し国家資格、または公的資格(ネイルライセンス)を有している
マニキュアリスト、ネイルテクニシャン

大体こんなイメージで捉えていただけると良いでしょうか。
ただし、呼称は地域や個人の捉え方によって本当に様々です。日本で一般の人にとってネイリストやネイルアーティスト、どちらで表現しても間違いではないと感じるように、呼称の違いは地域によって様々だということを覚えておきましょう。

日本と海外のネイルサロンの違い

日本でネイルサロンに行くとなると、大体の人がジェルネイルをしてもらう場合が多いですよね。

価額は大体どこのサロンでも6000円程度で、質が良く持ちのいいジェルネイルが手軽に出来ることが日本のネイルサロンの良いところだと思います。

また日本と近い韓国・中国・シンガポールなどもジェルネイルが人気です。

しかし、ネイル先進国であるアメリカやヨーロッパ諸国ではネイルポリッシュ(マニキュア)がまだまだ主流です。(もちろん、ジェルネイル自体が無いわけではないです。)

大体店内に入ると多くの種類のネイルポリッシュが置かれてあり、その中から好きな色のポリッシュを自分で選びます。

カラーを選ぶ際に迷ってしまった場合は、日本と同様に店員さんにおすすめのカラーや流行りのカラーなどを聞いて決めることもできますよ。

その後、マニキュアリストの方にデザインや形、装飾はするかしないか?などを伝え施術してもらうようです。

デザインとしては色の組み合わせを楽しんだり、繊細な装飾を好む方が多い日本とは違い、ワンカラーのみといったシンプルなデザインが好まれているようです。

またアメリカではネイルサロンはネイルスパと呼ばれているように、同時にマッサージなどのサービスも受けることができます。
(※アメリカ以外の多くの国でもこのようなサービスがあります。)

大抵はマッサージチェアに座りながらフットバス(足湯)をして角質除去などをしてもらいます。

そのため特にニューヨークやロサンゼルスでは子供から大人、そして男性までこのネイルスパでサービスを受けることが珍しくないそうです。

日本では男性がネイルサロンに行く、となるとまだまだ一般的ではないですがマッサージなどのサービスがあるとなると納得ですね。

妻や子ども、ガールフレンドに連れ添って来店し、マッサージを受けたあと健康的な爪に見せるために甘皮処理やクリアタイプのポリッシュを希望する男性も多いそうです。

また、男性やトランスジェンダーのマニキュアリストの方も珍しくないです。



日本のネイルサロンの魅力は、料金が分かりやすく技術が一定して高いところ

海外のネイルサロンの場合、料金は大抵20~60ドル(2000円~6000円)と安い印象もありますが、国によってはチップなどが含まれたり気付かない間に高い料金設定になっていることもあります。

また、技術も各ネイルサロンや施術者によって異なるためピンキリだというのが怖いところ。

例えばマッサージを受けた後、甘皮処理を丁寧に行ってもらい施術も満足いくものだった!
しかもたったの35ドル(3500円)!ラッキー!という場合もあれば

気付かない間に何の説明もなく高い料金設定の形やジェルを選ばされてしまって思ったよりも料金を取られてしまった。

しかもカラーやデザインも希望したものとは程遠い…、という場合もあります。

海外のネイルサロンは英語(または現地の言葉)で施術内容を伝えなければいけませんが、移住者の方で英語地の言葉があまり得意でないマニキュアリストの方も多く居ます。

その為、施術者と顧客との間でイメージするデザインの相違などが出てくる場合があるんですね。

一方、日本のネイリストさんは高い技術を持っている方が非常に多く、また料金も顧客に分かりやすいよう提示してくれています。

価額帯はどこのサロンも大きく変わらず、デザインやカラーの希望なども丁寧に聞いてくれるネイリストさんが多いので安心して通うことができます。

フットスパやマッサージなどのサービスは日本のネイルサロンには浸透していませんが、それを除いても失敗が少なく綺麗な爪にしてくれる日本のネイルサロンはとても魅力的だと思います。

最後に…

今回はネイルサロンネイリストについての日本と海外の違いをご紹介致しました。

海を越えても、大抵の女性は爪のお手入れをしたり、ネイルアートを楽しむのが好きですよね。

「魔除け」という意味から始まった爪を染める文化が、現代ではネイルアートとして多くの人に楽しまれているというのはとても面白い話だと思います。

装飾について遡るとピアスや指輪、ネックレスなども古くは「魔除け」の意味を持ちます。

おしゃれをしたり、キレイな指先でいるとそれだけで気分も高まります。

「魔を払う=ポジティブにさせてくれる」

そういった意味でも「魔除け」というのは当てはまっている気もしなくはないですね。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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(サムネイル画像引用:photoACまぽ様より)